清見潟大学塾訪問。洗足再生への一歩

旅行けば駿河の富士に茶の香り、名代なるかな東海道、名所古跡の多いとこ。中でも目に付く久能山、松と並んでその名を残す清水港の次郎長。 ご存知広沢虎造「石松代参」の一節。というわけで魚津の有志20人でやってきました。1月27~28日。初日は雪降りしきる中、NHKホールでのN響公演。そして静岡に移り、打って変わって快晴。白く雪化粧した富士山を背にしての清水・清見潟大学塾訪問。

「うちには帳簿がないんですよ。銀行通帳が帳簿でね。領収書に通帳と同じナンバーを付けて綴じておしまい。何の不都合もありません。徹底して無駄なものを省いています」。行政におんぶに抱っこは市民からきっぱり。公民館を利用して行政補助20万円未満。この合理主義、現実主義がこの塾の真骨頂。昭和60年9月開講。講座数12教授12塾生100でのスタート。ところが現在、講座139、教授96、塾生3180。全国生涯学習施設のトップをひた走る。大石正路塾長の面目躍如というところ。74歳のこの人あってのこと、と見受けた。地元銀行を定年退職した矢先にこの話が舞い込み、渡りに船、水を得た魚に。教授に自ら応募したテーマは「古事記日本書紀 神話の世界」。地域金融論とかではないところがミソ。もちろん定年前からの趣味。テキストは手作り。例えば11年3月使用のものはA4で27ページ建。「魏志倭人伝、鬼道に事え、能く衆を惑わす。シャーマンと卑弥呼」と本格的。ワープロと手書きの図解をまじえての苦心作。2時間の授業に2週間かけて準備するという。なにしろこの塾には市場主義が導入されている。生徒数10人に満たない講座は中止の憂き目に。教授は公募制。誰でもなれるが、塾生の厳しい評価が待っている。因みに大石塾長の講座が50人規模とか。月2回やると年1万円の月謝だから、年間教授料50万円となるところだが、20人以上だと上納システムがあり、ざっと33万円。これが教授の年棒。しかし、塾生からの授業料徴収も仕事と雑用もこなさなければならない。「遊び心で大学ごっこ、とにかく面白ければいいんですよ。あまり大きく、堅苦しく構えないでスタートした方がいいですよ」。そんなアドバイスを胸に刻みながら、アクセルを踏まねばならないなとの思いがよぎる。

わが方のスケジュールによれば、この3月に仮称「洗足再生市民会議」が発足。10月にプラン発表。2002年3月短大閉校。同4月洗足再生市民塾スタート、となるはずだが。

美保の松原から見るるもの何もない富士。

その見事さに感嘆の声を挙げ、そして久能山東照宮の徳川家康の遺訓にうなずく。同行20人の思いや如何。何事も「ひと」を得なければ、この思いだけが各人の胸底に。

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