信濃には月と仏とおらが知事。支持率91.3%

やってくれるではないですか、われらがペログリ田中知事。なんと支持率91.3%を超えるという。信濃毎日新聞の世論調査。誰もが予測しなかった超人気。今や、月と仏とおらが知事だ。「田中知事ダイアリー」がサンケイ、「知事24時」が信濃毎日、これが人気コラム。タクシーでも、居酒屋でも、井戸端会議でも県内いたるところで、知事の話に花が咲くという。どこかの首相なんかは「おれもそうなってみたい」と思っているかもしれない。「しなやかな民主主義を標榜する長野・田中康夫革命」とまで知性派・週間朝日にいわせるのだから、何とも凄いことになっているみたいだ。
 金魚鉢と称するガラス張りの知事室。アポなし訪問も可に、車座集会、現場視察などなど。対応ぶりも、まるで人生相談に応ずるみたいに気軽にやっているように見える。一様に「物事の本質を突いている」「そうなのよ、と思わずいいたくなるようなツボを得た発言が多い」とか特に女性の評判がすこぶるいい。ペログリやっちゃんの面目躍如だ。これを、児戯にひとしいパフォーマンス政治と批判する勢力もある。
 でも意外と、この田中流民主主義が大化けに化けて、21世紀日本の夜明けは長野からになるかもしれない。
 55歳のいまになってもわからないのが「民主主義」。いまだに見ていないのが「民主主義」。基本キーワードは「公開」「相互批判」と理解しているが、お題目だけ。実践となってくると皆目おかしくなる。立ちはだかるのが日本社会の病理的構造。政治学者の丸山真男が指摘する「同じ人間が下に対すると傲慢になり、上に対すると卑屈になる」。このタテ社会の上下関係がすべてをあいまいにしていく。始末に悪いのは、傲慢も卑屈も本人自身で分かってない人間が多いこと。太平洋戦争も、先ごろのバブルも、ひょっとして新幹線も。「お上が」「お上が」といって思考をストップさせてしまう。もちろん責任のかけらも感じずに済んでしまう。これを破っているのが田中康夫かな、と考えている。
 まだ3ヶ月。評価は早いかもしれないが面白いし、目が離せない。しかし彼の体力にも感心する。ヨーロッパ旅行も敢然とやり抜いたし、これでフランス流に「下半身は問わない」が定着するといいなと思ったりする。
 それが本音なのね、とどこかのおばさんの声。ギクリ。

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