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「原発ホワイトアウト」

2017/7/24  

1枚の賀状がこの本を手に取らせた。彼は68年に東大工学部原子力工学科を卒業している。その後一貫して原子力に携わり、国会答弁に立つほどのポストについていた。3.11の前年に開いた中学卒業50周年を記念す ...

般若心経

2017/7/24  

認知症の母は最期まで般若心経をそらんじることができた。鉛筆書きでの写経を日課にしていた時期もあり、海馬にすりこませたのであろうか。夫婦で入居していた施設のベッドに正座して夫婦で唱えることもあった。わず ...

「はじめてのマルクス」

2017/7/24  

何とか生き残っているな、と手にする週刊誌がある。「週刊金曜日」で、11月1日号が創刊20周年記念となっている。編集長後記によると、99年に発行した「買ってはいけない」が200万部売れてその貯金が効いて ...

「熔ける」

2017/7/24  

誰にも破滅願望がある。のっぴきならない岐路に立つ時、あれかこれかと思い悩み、黒い誘惑者の声にうなずくか、必死にかぶりを振るか。大きな転機となるのだが、奈落の底に吸い込まれそうな恐怖でもあり、早く堕ちて ...

五重相伝

2017/7/24  

12月6日午前3時58分、99歳の母・ゆき枝は旅立った。10月28日からほぼ1ヵ月間、水さえも受け付けず、必要最小限の点滴で辛うじて維持していたが、時に声を出し、目で合図をしてくれて、延命の余恵を享受 ...

こしもざらめ雪

2017/7/24  

立山を知り尽くす人がひとりごとのようにいった。あの真砂岳をスキーで滑るなんて昔は考えられなかった。余程技術に自信がある人でないと滑れないと思う。ゆるやかな雪崩なら難なくかわすこともできただろう。あっと ...

「なぜ、死ぬか」

2017/8/3  

99歳の母は8月に誤嚥性肺炎で入院して以来、嚥下が覚束なくなっていた。ところがここにきて、一挙にレベルが落ちてしまった。10月28日に濃い味のジュースをゼリー化して飲ませたが、のご奥でゼロゼロさせた後 ...

「歌、いとしきものよ」

2017/7/24  

70年近い人生だが、歌謡曲が寄り添うように時々の情景を彩ってくれている。最初の記憶は美空ひばりの越後獅子の歌。戦後間もなくの巡回映画は鞍馬天狗で、新湊・六度寺の神社の境内だったが、これを聞くと今でもあ ...

「吃音の当事者研究」

2017/7/24  

「おまえ、どもるんだな」。大学同期と東京駅大丸「すし鉄」で呑んでの帰り、エレベータの前でぽつんといわれた。こうして面と向かって指摘されるのは初めてである。実は幼児期大変などもりであった。足を持ちあげて ...

いつか来た道

2017/7/24  

「空かぎる強き形 けがれなきよろこびの流れ・・」。中学の校歌が思わず口をついて出たのである。10月14日立山・竜王岳の頂上に登り、周囲を見渡した時だ。雲ひとつない青空にくっきりとしたこの山容を謳ってい ...

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