「食と農」からの再生。藤原辰史
2020/5/3
新しい若い知性が現れた。農業史研究という変わり種の44歳。鋭く切り込む感性が初々しい。京都大学人文科学研究所の藤原辰史・准教授。朝日新聞(4月26日)で、新型コロナで啖呵を切っている。「すべての資質 ...
「生涯編集者」
2020/4/21
何が幸せか。福沢諭吉を持ち出すまでもなく、生涯を貫く仕事を持つことに尽きる。編集者というのは、作家の発掘育成から、作品の着想や助言など作家以上の能力が求められる。また雑誌をどんな企画で、どんな書き手 ...
「声なき人々の戦後史」
2020/4/12
お前にできるか。就職して間もなくだったが鎌田慧の「自動車絶望工場」を読んで思わず、こう思った。鎌田は34歳の時、ルポライターでやっていくと決めたが、家族を抱え、取材費もなく身動きが取れない状況に追い ...
なかにし礼「生きるということ」
2020/4/3
アルマーニを着こなす。こんなことで遠ざけていたが、38年の満州生まれはやはり気になる。あいさつ代わりに手にしたのが「生きるということ」(毎日新聞出版)。なかにし礼が再発がんを辛うじてかわしながらの手 ...
地方商店街でトリアージを
2020/3/20
富山の中心商店街といえば総曲輪。アーケード街に店がひしめいていた。ピーク時の地価は坪300万円。高級洋装店ジャンは100坪の土地を、つまり総額3億円でポンと購入して語り草となった。今はどうか。再開発 ...
反緊縮への理解深まる
2020/3/9
2月28日午後、歩いて10分の富山大学に急いだ。同大・新里教授からの誘いに二つ返事で応じてみたが、はてさて理解できるのだろうかの不安が先立つ。第23回政治経済学セミナーは約5時間で5テーマが報告され ...
不二越株主総会
2020/2/25
2月19日午前9時過ぎ、株主総会の会場である富山市中心部のANAホテルに着いた。会場周辺はボリュームいっぱいにヘイトスピーチを繰り出す右翼街宣車がざっと5台。警察と私服刑事がそれを取り巻いている異様 ...
「事前復興計画」
2020/2/17
東日本大震災の復興地域に、肝心な「住民」の姿が見えない。立派な道路があり、住宅はもちろん学校、病院などの建物がそろい、防潮堤もあり高台移転によって今後の津波襲来にも安全という。違う、こんな光景を見た ...
「韓国 行き過ぎた資本主義」
2020/2/6
理想の社会がすぐに実現するわけではない。100万人を超えるソウル市庁舎前を埋め尽くしたろうそくデモで生まれた文在寅政権は、果敢な改革策を断行しているが思うように動いていない。そのデモ参加者たちも文政 ...
「宇沢弘文からのメッセージ」
2020/1/23
これほど豊かに人生を送れるものか。経済学者・宇沢弘文が生きた86年の歳月は、どこを切り取っても人間・宇沢が息づいている。かく生きたいものである。彼が初めて手掛けた岩波新書「自動車の社会的費用」は車の ...