松村外次郎と熊谷守一
2019/9/26
圧倒的な存在感でブロンズ像「タバコ」は迫ってくる。彫刻家・松村外次郎の1942年の作品で戦争が差し迫ってくる中で、作成された。筋骨隆々の兵士が両手にした銃をブランコにして、裸の幼子がぶらさがっている ...
統計学の日本史
2017/11/9
高速道路の料金にはいつも腹立たしい思いをしている。最近は滅多に乗らないが、自宅から30キロ近く離れた勤務地だった時、自分なりの理由をつけて950円を支払っていた。通勤費が高速代で消えてしまうこともし ...
同考の士
2017/11/3
70歳前後を過ぎたら、検査・検診は無用ではないか。それが確信に近くなってきた。同考の士ともいうべき作家の論である。30歳の時に「九月の空」で芥川賞を受賞した高橋三千綱。現在69歳だが無頼と自称してい ...
スタニスラフスキーへの道
2017/10/24
弱さの中の強さ、強さの中の弱さ。ものごとは直線的に進むわけではなく、らせん状に曲がり落ちたり、急速に上昇したりする。そんなことを自らにいい聞かせて、衆院選結果をのみ込もうとしている。いまは語りたくな ...
山陰紀行
2017/10/10
山陰のイメージは吉永小百合の「夢千代日記」である。山あいの鄙びた温泉宿というところであろうか。亡妻が同じ下宿で親しかった友人が鳥取出身ということで聞かされた「貝殻節」もそうだ。10数年前に石川県立音 ...
岩国基地
2017/10/1
遠くに見えるステルス戦闘機が離着陸の訓練を繰り返している。騒音は耳をつんざく。釜山まで300キロ、平壌までは700キロ、米軍にとって朝鮮半島へのゲートウエイという岩国基地は緊張に包まれている。先日、 ...
人間は哀れである
2017/9/26
何がどう哀れって、人間に関するすべてが哀れである。北朝鮮問題で悶々とする日々で、久しぶりに東海林さだおの癒しに触れてみたい気分になった。「ヘンなことばかり考える男 ヘンな事を考えない女」(文藝春秋刊 ...
「朱の記憶―亀倉雄策伝」
2017/9/18
気になっていた男の自伝である。2016年の東京オリンピックのポスターを作ったといえば思い出してもらえるかもしれない。しかし、どうしてもリクルートと重なってしまう。1915年生まれの亀倉雄策だが戦前戦 ...
「琥珀の夢」
2017/9/11
日本経済新聞のしたたかさに感じ入った。看板とする終面の連載小説である。伊集院静の「琥珀の夢」が終了して、9月5日から林真理子の「愉楽にて」に変わった。一読して、これは数年前に高村薫から渡辺淳一に引き ...
「カタロニア讃歌」
2017/9/3
8月17日に起きたスペイン・バルセロナのテロは1冊の本の記憶と重なった。無辜の市民を次々に跳ね飛ばしていくISテロの理不尽さには、とてもやりきれない思いだが、テロ報道のカタロニア地方という地名に、何 ...