katsushi

スタニスラフスキーへの道

2017/10/24  

 弱さの中の強さ、強さの中の弱さ。ものごとは直線的に進むわけではなく、らせん状に曲がり落ちたり、急速に上昇したりする。そんなことを自らにいい聞かせて、衆院選結果をのみ込もうとしている。いまは語りたくな ...

山陰紀行

2017/10/10  

 山陰のイメージは吉永小百合の「夢千代日記」である。山あいの鄙びた温泉宿というところであろうか。亡妻が同じ下宿で親しかった友人が鳥取出身ということで聞かされた「貝殻節」もそうだ。10数年前に石川県立音 ...

岩国基地

2017/10/1  

 遠くに見えるステルス戦闘機が離着陸の訓練を繰り返している。騒音は耳をつんざく。釜山まで300キロ、平壌までは700キロ、米軍にとって朝鮮半島へのゲートウエイという岩国基地は緊張に包まれている。先日、 ...

人間は哀れである

2017/9/26  

 何がどう哀れって、人間に関するすべてが哀れである。北朝鮮問題で悶々とする日々で、久しぶりに東海林さだおの癒しに触れてみたい気分になった。「ヘンなことばかり考える男 ヘンな事を考えない女」(文藝春秋刊 ...

「朱の記憶―亀倉雄策伝」

2017/9/18  

 気になっていた男の自伝である。2016年の東京オリンピックのポスターを作ったといえば思い出してもらえるかもしれない。しかし、どうしてもリクルートと重なってしまう。1915年生まれの亀倉雄策だが戦前戦 ...

「琥珀の夢」

2017/9/11  

 日本経済新聞のしたたかさに感じ入った。看板とする終面の連載小説である。伊集院静の「琥珀の夢」が終了して、9月5日から林真理子の「愉楽にて」に変わった。一読して、これは数年前に高村薫から渡辺淳一に引き ...

「カタロニア讃歌」

2017/9/3  

 8月17日に起きたスペイン・バルセロナのテロは1冊の本の記憶と重なった。無辜の市民を次々に跳ね飛ばしていくISテロの理不尽さには、とてもやりきれない思いだが、テロ報道のカタロニア地方という地名に、何 ...

ワセダクロニクル

2017/8/27  

   ジャーナリズムの危機が叫ばれて久しい。ここに来て、よりはっきりしてきた。それはペンがパンに負けてしまっていることに起因する。つまりマスコミ経営としてのパンであり、記者の生活を支えるパン ...

若者考・8月

2017/8/23  

ふたりの独身女性がわが家に泊まることになった。三男のピースボート仲間である。30代前半で、ひとりは京都に住む図書館司書、ひとりは神奈川・葉山に住む保育士。じいさんは逃げ出すしかないと1泊旅行でもと思っ ...

川柳事始め

2017/12/6  

「残高と余命を測る妻がいて」。これが褒められた最初の川柳である。俳句は高浜虚子の花鳥諷詠だが、川柳は人間風詠とされる。古稀過ぎてからは、とにかく誘われれば応じていく。「時事川柳が今なぜ脚光を浴びるのか ...

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