AIが支配する社会

 日米貿易交渉が「アリバイづくり」の茶番劇で終わった。追加関税25%を持ち出された時点で、結末は見えていた。TPP交渉に無理矢理入らされ、難題を飲まされた時点で、オレ抜けるから、お前まとめてみろとなって、11か国で何とかスタートした。オレだけ不利になったじゃないか。オレを支持する選挙民が怒っているのだと横槍。それではTPPに、どうぞ入ってください。馬鹿野郎、オレたち差しでやるんだ。いっておくが、安全保障でただ乗りしているんだぞ、オレのいう通りにしないと、25%の関税と数量制限を発動するからな。お前だって韓国に輸出規制という手を使っているじゃないか。文句はあるまい。

 これで「わが国は自由貿易の旗手である」と胸を張っていってきたことが、偽りだったことが世界注視のなかではっきりした。トランプの機嫌を損じないように、米国の側に立って国民を抑えにかかるのがアベ外交の常道である。米国を怒らせるとどんな仕打ちにあうかと国民を脅しつけ、自国の統治権を確保する代官といえばわかりいい。この段階まできたら、AIに外交を任せてもいいのではないかと思えてくる。

 さてAIといえば、イスラエル・ヘブライ大学歴史学のハラリ教授である。43歳ながら「サピエンス全史」「ホモ・デウス」などが累計で2000万部売れ、世界の指導者や経営者からも注目されている。世界的な課題として核戦争、地球温暖化に加えて、AIとバイオテクノロジーを挙げる。破壊的な技術革新の凄まじさは政治、経済、金融の仕組みは勿論、我々の暮らしも完全に変えてしまう。雇用を奪い、新たな監視技術で国民すべてを常に追跡できる。それらを駆使して、存在したことのない独裁政府が誕生しかねないと警告する。

 現実に進んでいるのが戦場である。キラーロボットと称される自律型致死兵器システムはAIを搭載して、敵を自ら選定して攻撃する。陸上、海上、水中、航空を問わない。こんな動画がNGOで制作された。大学キャンパスの路上で、ワゴン車の後部ドアが開かれると、無数の超小型ドローンが飛び立った。校舎の壁を打ち破り、宗教、思想などの識別情報がインプットされていて、殺すべき相手を正確に殺害していく。戦場ではシリアが格好の実験場となっている。AI兵器が戦争の様相を一変させ、軍事バランスを根底から揺るがしている。そして皮肉なことに、イスラエル航空宇宙産業がその開発の先陣を切っているという。それほど資金が要らないというのも、その拡散を考えると厄介である。

 ハラリが学んできた人類史的な歴史の法則からすれば、どんな時代を生きているということになるのか。一部のエリートが大多数の「無用者階級」を支配する危険は差し迫っている。あなたを監視し、解読しようとする企業や政府が、あなた自身よりあなたを知ったとしたら、あなたを操作するのは簡単です。彼らは、人々が何を嫌悪し恐れているか見つけ出し、感情のスィッチを押し、さらに強い嫌悪と恐怖を生み出します。誰がデータを所有し、どんなAIを開発しようとしているのか。その独占を許さない規制が一番だが、これは政府がやるべきこと。政府を動かすには、市民が団結して圧力を掛けねばなりません。ひとつの国だけではなく、国際協力も欠かせない。自分には移民や、イスラム教徒への偏見があるから、それに騙されないように一日2時間の瞑想を実践している。

 そして、身近なところでは富山・南砺市でロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)が導入され、定型業務から解放されようとしている。科学技術で最も予算が投入されているのがAIとバイオテクノロジー分野。野心的な若手研究者で、従来の秩序をぶっ壊すと息巻いている輩もいるという。

 アベ外交からここまで論を進めてきたが、まとまらない。許されよ。まずは瞑想である。

 

 

 

 

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