「朝鮮と日本に生きる」
2017/7/26
威儀を正して、一気に読むことになった。そうせざるを得ないと思わせる著者に対する敬意である。金時鐘(Kim Shi-Jong)がやむなく来し方を語ることになったというが、定年を控えた岩波新書編集部・平田 ...
「鼠」
2017/7/26
伝統の商社の残光を追う。こんな見出しの日経(2月20日 小林正幸・双日総合研究所主任研究員)を見て、城山三郎の「鼠 鈴木商店焼打ち事件」(文春文庫)を思い起こした。商社というのは鈴木商店で、17年(大 ...
「さいごの色街 飛田」
2017/7/26
色街と聞けばやはり心がざわめく。うかがい知ることのできない裏面がそこに隠されているのではないか。ひそかにうごめく人間の本性を見てみたいという思いでもある。亡き隆慶一郎の「吉原御免状」「かくれさと苦界行 ...
「街場の戦争論」
2017/7/26
非常時にどう対応するのか。そんな組織は、人材は果たしているのか。そんな視点で周囲を見渡すといかにも心寒くなってくるが、したり顔で「あれがこうなって、これがこうなって、すべてが計画通りにゆけばうまくいく ...
「砂漠の修道院」
2017/7/26
エジプトのナイル川西方に沿ってその修道院は点在する。カイロから150キロ離れたワーディ・ナトルンと呼ばれる地域もそのひとつで、ナトルンの涸れ谷は長々と西に向かってのび、幅8キロ、長さ50キロに及び、地 ...
上海バンスキング
2017/8/3
今も聞き続けているCDが吉田日出子の歌う「上海バンスキング」である。「あの時 貴方 来てました ラストナイト だから 声かけてあげましょね ウエルカム上海」。トランペットとクラリネットのセッションが開 ...
「黒幕」
2017/7/26
眠りにつく前に、人生の「もし」を想像する。68年の就職先に神田・神保町にある集英社を選んでいたら、恐らくもっと無頼な生き方をしていたのではないか。胃を錐揉むような日々で、いまの健康とはほど遠いダメージ ...
革命バカ一代
2017/7/25
晩節は汚すべからず。それほど立派な人生とはいえないが「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という思いは持っている。そんな思いのところに、今年の棹尾を飾るにふさわしい書に出会った。12月27日、帰省ラッシュに ...
伊藤熹朔
2017/7/25
イトウキサクと呼ぶ。日本の舞台美術の先駆者だ。初めてこの名前を見たのは新宿・紀伊国屋4階で開催していた伊藤熹朔展であった。多分こまつ座公演を見たあとであろうか、10年は過ぎている。ふらりと入ったのだが ...
「負けるな北星!の会」
2017/7/28
いま注目しているのが北星学園大学である。そして、髪の白さが目立つ56歳の男の心情を思いやっている。従軍慰安婦の証言を初めて引き出した植村隆・朝日新聞元記者だが、同大学の非常勤講師を勤めている。今年1月 ...