「死を前に書く、ということ」
2017/7/24
最後の光芒を放つように言葉がきらめく。自問自答の、自分ひとりだけの言葉でもある。昨年12月亡くなった文芸批評家・秋山駿が書きとめたノートだ(講談社刊)。公団住宅に住む83歳は自ら死を選び取っていた。前 ...
ウクライナ
2017/7/24
剣幸が歌うサンライズサンセットはお気に入りの1曲である。ご存じ森繁久彌が「屋根の上のヴァイオリン弾き」で歌ったものだが、このミュージカルこそウクライナが舞台であった。19世紀末の帝政ロシアはポーランド ...
渡辺淳一を気取る
2017/7/24
「寄っていきますか」。予期せぬ対応に戸惑いながらも酔いを振り払うように階段をのぼった。アパートの扉を開けると玄関脇にひとりが座れる食卓があり、小さな備前焼に投げ込まれたかすみ草が清潔さを際立たせていた ...
木下順二
2017/7/24
「かにどん かにどん、どこへいく」「さるのばんばへ あだうちに」「こしに つけとるのは、そら なんだ」「にっぽんいちの きびだんご」「いっちょ くだはり、なかまになろう」「なかまに なるなら やろうた ...
春愁
2017/7/24
「春愁が今日も一杯やれと言ふ」。朝日俳壇で見つけた古田哲弥の句であるが同感である。返しというわけでもないが「春愁をひとりで抱え痛飲す」(拙句)。自らの愚かさを嘆きつつ、ここのところ酒量は上がるばかりだ ...
復興における経路依存
2017/7/24
被災者に直接支援する制度に切り替えよう。復興予算をどれだけつぎ込んでも、被災者に届かない。「一生懸命やっているが、自分のやっていることがどれだけみんなの役に立っているかわからない」といって、大槌町に宝 ...
「寂聴詩歌伝」
2017/7/24
「祇園へ行きますか」。寂庵で少し話をした後で、瀬戸内寂聴は気にいった来客に必ずそう誘うらしい。誘われなかったら、それまでの人だということだ。行き先は茶屋の「みの家」。そこのおかみさん・吉村千万子は「京 ...
「鵜の祭」
2017/7/24
縁というものを大事にしている。とりわけこの年齢になると、たゆたうように縁をたぐりよせるような行動となる。3月22日石川県立音楽堂邦楽ホールにちょっとワクワクしながら出向いた。 免疫学の泰斗にして、能 ...
「アジア力の世紀」
2017/7/24
鬱々とした日々だ。雪崩を打って国のカタチが醜く壊れていく。作家の徐京植(ソ・キョンシク)が月刊みすずで指摘する。「日本というのは奇妙な国だと思う。ホロコーストやナチズム研究について、これほど充実した書 ...
がん治療。ふたりから
2017/7/24
庭にあった樹齢100年は越すと思われるケヤキを伐ってしまった。落ち葉が隣家や路上に散らばり、老人世帯では近い将来始末に終えなくなると判断したという。植木屋はお祓いをし、幼木をそばに植栽して、木の霊をな ...