医療こそ地方分権で

年俸5,520万円を用意する。プロ野球の話ではない。産婦人科医を何が何でも確保したい尾鷲市長が、提示した金額である。背景はこうである。三重県は人口の偏りがひどい。四日市や津がある北部は人口177万人、一方尾鷲、紀南などの南部は約9万人。その上、南部の地形はリアス式海岸で、一般道だけで高速道路がない。三重大学から産科医の派遣を受けていた市立尾鷲総合病院は、派遣ストップとなり、お産取り扱いの中止に追い込まれた。怒った市民は6万人を超す署名を集め、三重大学に提出、市長は追い込まれて、冒頭の年俸提示となった。これは尾鷲に限らない、全国のあらゆる病院が直面し、首長は赤字と医師確保で悩み抜いている。急患のたらい回しは日常的なこととなろうとしている。

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