富山駅前の集会で久しぶりに会った友人から、長周新聞が渡された。創刊70周年とある。1955年共産党の分裂を機に、党を除名された福田正義が下関で創刊し、今に続く。週3回発行で、月ぎめ1500円。富山県内でも根強い読者がいる。サンケイ新聞の部数を抜くのも夢ではない、ともいう。激減しているサンケイは80万部を切っており、早晩30万も難しいというから、長周新聞はそれくらいの部数が視野に入っているのかと想像する。
また、山口県は長州閥の流れをくみ、岸信介から安倍三代と続いた保守源流の地でもある。大久保、西郷を輩出した薩摩に較べて見劣りするが、松下村塾を主宰した吉田松陰門下として、伊藤博文、山縣有朋らを輩出し、とりわけ高杉晋作が奇兵隊を創設し、身分関係のない軍隊としたのは特筆したい。
もらった長周新聞7月2日号は、有田芳生・衆議院議員の講演を特集している。「山口県から政治を変える」と題し、安倍政治と統一教会がテーマ。簡単に紹介したい。有田は阿倍晋三の弔い選挙となった2023年の補選に、対抗馬として出馬している。志の高い、面白い選挙だったと述懐する。安倍をあやめた山上徹也の裁判が10月奈良地方裁判所で始まる。
関係を遡ると、岸信介が総理大臣のとき、東京都渋谷区南平台に住んでいたが、その隣に統一教会の高校生たちが原理研究会という施設を持って活動していた。「あれはなんだろう」と船舶振興会の笹川良一に尋ねると、「あれは統一教会の信者たちだ」と教えられた。そこからのつながりだ。韓国の統一教会本部に行って文鮮明教祖と握手をしている写真も残っている。そうした関係のなかで統一教会と岸信介、自民党との関係が深まっていく
統一教会の教祖である文鮮明は1922年に現在の北朝鮮で生まれ、20歳の時初めて日本に足を踏み入れたのが下関だった。41年4月1日で、統一教会にとっては4月1日は象徴的な日として、下関で「日臨節」という集会を開いている。朝鮮半島と下関は隣り合っているのだ。
東京地裁の統一教会解散命令は今、東京高裁で争われており、秋口には確定する。すると、すぐ清算人の弁護士が選ばれて、統一教会の資産は処分されていく。統一教会は1136億円の資産があり、現金を800億円ほど持っている。この資金量と狂信的な信者たちは政治的には計り知れない援軍となったはずだ。霊感商法などで非常に多くの被害が出ているので、そのなかから被害者の救済に充て、足りなければ山口県にもある施設を売却していくことになるだろう。
第2次安倍政権が拉致問題を足掛かりに、差別、排外主義が臆面もなく口にしてきた。この参議院選で、この押し戻しをやらねばならない。