「21世紀にどう入っていくか」塩野七生

あけましておめでとうございます。

いま手元に置いているのは、塩野七生さんの講演集「21世紀にどう入っていくか」。21世紀と聞かされると、この小さなパンフを思い出す。これは2年前に、高校生を中心とした若い人向けに話したもの。彼女にも24歳(この講演が2年前なので現在26歳)の息子がいる。「僕が毎日聴かされていることを、その人たちも聴かされるの?かわいそう」という息子の憎まれ口を、うれしそうには紹介しながら始めている。

ちょっと紹介。

どんなに外国語を勉強しても、母国語の水準以上にはならない。外国人が耳を傾けるのは、ぺらぺらとその国の言葉を巧みにしゃべる人よりも、ポツポツとでもいいから、何か伝えることがある人。だから、母国語をしっかり、特に母国の歴史を。外国語は道具だと思って勉強した方がいい。
国や年齢を超えて、人と話し合うには起承転結を。「起」は「私は何を話す」。「承」は「これから話すのは何と何と何である」。「転」は承で挙げたことをひとつひとつ。最後に結論を。

何事にも選択肢を多く持つように。日本人の決定的な欠点は選択肢をひとつしか持たないこと。選択肢を軸に情報を集め、分析し、比較し、選択する訓練を。

開放的で大胆な人は、将来伸びていく可能性がある。好奇心の強い人は自分を開放していける。

彼女は1937年生まれのイタリア在住。「ローマ人の物語」を1年に1巻づつ書きつないで、2006年に全15巻を書き終える。「私が書くと、ローマ時代の男が生きてくる」と自信を見せる。ほとんどが定期読者で、この発行を待ち望んでいる。私はといえば、15巻揃ったところで一気に読み下すと意気込んでいる。

ところで21世紀は、わたしをどれほど生かしてくれるのだろうか。「ローマ人の物語15巻を手にしてようやく読み終えたぞ。ついにローマを征服せり」と叫ぶことが出来るか。神のみぞ知るということか。

ということで、今年もよろしく。

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