男女共同参画社会への近道は、悪妻を演じることから

悪妻を演じなさい。それが男女共同参画社会への近道になる。こう説くのは下新川郡連合婦人会の西村さん。魚津地区婦人意見発表会の席上。会場は、それぞれ思い当たるふしがあると見え、なるほどとうなずく人が多かった。婦人会にPTAと、地域活動での役職が重なると、仕事に加えてのこと家事まで手が回らない。睡眠さえも十分には取れなくなる。旦那の出勤時、やれスーツにネクタイ、靴下とそろえる。何でこんな事まで、と思うが口には出せない。職場の同僚、地域の仲間が集まると,こんな愚痴が飛び交う。でもよく考えてみるとみんなで良妻賢母をしていると自慢しあっているだけでは、と思えてきた。どうも変なのである。愚痴ではなく、良妻賢母を確認し合い、お互いに牽制し合っているだけ。これでは時代は進まない。仕事が男女雇用均等法で夜勤が増えたこともあり、私の体調も優れないこともあり、家事の分担を夫と息子に提案。もう限界だと訴えた。そうするとみんながわかった、とやってくれるではないか。今までが何だったのか、と思えてきた。買い物、食事、後片付け、簡単な掃除などなど。その上にそこから会話が弾む。一石二鳥とはこのこと。世のお母さんたちが、頑張り過ぎないこと。これが男女共同参画社会実現への近道というわけ。

この婦人意見発表会、50年の歴史を持つ。誰がするかの人選を巡り、騒動混乱ぶりは想像に難くない。西村さんの他にも黒部市婦人会の平野さんの「我が家の福祉元年」が感動を呼んだ。20歳の息子さんが突然の事故で重度障害に。そこから立ちあがるまでの3年間の苦労。介護保険への疑問。会場はしーんと静まり返った。

こうして聞いてみるとやはり捨て難いイベントである。テレビの人気番組「学校へいこう」の中に未成年の主張がある。中学校の校庭で、学生が「なあに」と掛け声を掛けながらのものだが毎週面白く楽しみにしている。この番組に対抗しろというわけでもないが、原稿を書き、家族の前で何回もリハーサルを繰り返し、挙げ句に胃がしくしくといった片苦しさを取っ払って、もっと軽い乗りでやれないものかと思った。やはり男のいい加減さが必要なのだ。 この運営だけを世のお父さんたちに任せてみてはどうだろう。女性だけの企画運営はやはり100%を求めすぎて息苦しい。ここは魁より始めよ、で男女共同参画による婦人意見発表会。うまくいきそうな予感がするが、いかが。

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