「じゃあな」
2017/7/24
飲み友達との別れ際、愚息との電話を切る時、ほぼ常套言で口をついて出るのが「じゃあな」である。恐らく、この世とおさらばする時も、これで済むだろうと思っている。どんな問題でもじっくり話をする習慣を身につけ ...
「家庭のような病院を」
2017/7/24
予期はしていたのだが、現実に通告?を受けてみると、暗然としてくる。わが両親のことである。昨年の介護認定で、両人とも要介護4となった。96歳の父の方が、口数も少なくなり、こちらが挙げる固有名詞に反応する ...
「和解のために」
2017/7/24
2015年春、ソウルにある世宗(セジョン)大学構内を、朴裕河(パク ユハ)教授とにこやかに話しながら歩く70歳とおぼしき日本人がいた。「ようやく念願かないましたね」「ありがとうございます。落ち着いたら ...
詩の風景 詩人の肖像
2017/7/24
詩人・白石かずこは、遠い存在であり、苦手でもある。70年にH氏賞を受賞した「聖なる淫者の季節」は、飛ぶコトバを貧しい想像力で埋めていくことはかなわなかった。31年、戦前のカナダ・バンクーバー生まれとい ...
伊勢丹地下売場
2017/7/24
消費を淫らにしている。詩人にいわせれば、そう表現するだろう。東京・新宿の伊勢丹本館地下食品売場だ。チョコレートの製造販売をしているドアの前に店員が2人も立っている。温度管理のためか、と聞くと、いいえ店 ...
引退宣言
2017/7/24
「青春のすべてをたぎらせ、明日を夢見る新劇青年だった・・」で始まる、潔い引退宣言が届いたのは、2月の初めであった。仕事上の付き合いをしている時は、こちらも余裕がなく、これほどの修羅場を生き抜いてきた人 ...
哀しき殺人
2017/8/3
人間の身体や生命は、いまを生きているだけなはずだ。知性だけが、自分の未来に視線を送る。そのことによって、自ら“飲み込まれていく”というワナにはまっていく。それは一体なぜなのか。自分を除外してしまえば私 ...
イスラエル・ロビー
2017/7/24
1冊の本が、アメリカ大統領選挙に大きな影響を与えている。「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」(講談社 1800円)。世界で最も自由である国・アメリカで出版が拒否され、イギリスで陽の目をみた。アメ ...
泳ぐ「母べえ」
2017/7/24
「母べえ」吉永小百合は、ワンピース姿のまま海に飛び込み、クロールで泳いだ。ドイツ文学者である夫の教え子・山崎が溺れるのを救う場面である。原作にあるわけがなく、脚本で山田洋次監督が遊んだのであろう。「吉 ...
あたわり
2017/7/24
「自分にあたわったちょうどいい人生」。紐でていねいに綴じられた冊子が、訃報と共に届いた。三橋久美子さん、1年先輩である。旧姓が八十歩(やそぶ)で、大学の広告研究会で出合った。高岡市高の宮にある“やそぶ ...