「寺山修司と生きて」
2017/7/23
「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが 人生だ」。10年ぐらい前に、若い友人からこの出典を聞かれた。干武陵の五言絶句「勧酒」を井伏鱒二が名訳したものだが、いつの間にか寺山修司の “本歌取りの詩”で誰 ...
「永遠の現在」
2017/7/23
6者協議が動き出した。ヒル国務次官補が、めまぐるしく北京、平壌、ソウル、東京を駆け巡った。北朝鮮の核放棄をテコに大きく動き出す気配である。拉致問題解決なくして、一歩も動かないとする日本の立場は一体どう ...
「終りよければすべてよし」
2017/7/23
「安心してください。私が責任もって看取ってあげます」。こんな医師に出会うことができるかどうか、これが終末期医療(ターミナルケア)のポイントである。今日の状況を考えると、至難なことだ。至難だといって、厚 ...
インキュベータ・オフィス
2017/8/3
一度は自分の事務所を持ってみたい。そんな野心?は61歳になっても消えはしないようだ。「頼まれれば、原則として逃げない」。これをリタイア後の身上としている。口の悪い友人からは、ノーといえない小心者と蔑ま ...
みちのく鉄砲店
2017/7/23
真夜中、家中の酒という酒を全て飲み干し、それでもまだどこかに隠してあるんじゃないかと乱暴に探し回った。母は泣いて僕に付いて回り、父はだんまり。そして神棚のお神酒を飲もうとした時、母は泣き崩れた。(お神 ...
「通販生活」
2017/7/23
自炊する愚息に、米とちょっとしたものを送った。その際のヤマト運輸富山黒埼店でのこと。駐車場にトヨタのセルシオが先に停まっているので、どんな客かな、と思った。受け付けテーブルに荷物3個を載せて、やり取り ...
教師を辞めます
2017/8/3
51歳の男の教師だ。東京都の公立小学校、3年生ぐらいの学級担任である。最後の授業では、冷静であろうと耐えているのだが、終わりの頃に何度もメガネをはずし、涙を拭った。雑誌「世界」6月号への投稿と、東京ビ ...
「花一輪といえども」
2017/7/23
木下順二が逝ったのは昨年10月30日。享年92歳であった。劇団民藝が追悼公演として「沖縄」を演じた(4月7~18日、新宿紀伊國屋サザンシアター)。それを見ながら、彼の母を送る手紙を思い出した。 「母 ...
「人間として」小田実
2017/7/23
「体調不良を何とかしのぎながら、強引にトルコも旅して歩いて帰国したのですが、帰国後、病院で受けた検査で、体調不良は末期――またはそれに近いガンによるものであることが判明しました。英語の言い方で、「 H ...
物質から生命へ
2017/7/23
「我思う、ゆえに我あり」。このデカルトの命題を否定することから、始まった。自然科学による、生命への探求だ。それまでの自然科学では、エネルギーと物質についてはある程度わかっていたが、生命については未知の ...