「さすらいの舞姫」
2017/7/24
韓半島の近現代史の激動に、まるで身を投じるように生まれたバレリーナがいた。日韓併合の翌年1911年生まれの崔承喜(チェ・スンヒ)で、京城(ソウル)の両班の家柄だった。没落貴族のプライドは日本憎しだが、 ...
「キャタピラー」
2017/7/24
8月15日を墓参り以外に、どう過ごすか。そんなこだわりがある世代なのである。映画「キャタピラー」を見て、わが贖罪とするという陳腐な論理で、27歳の三男といっしょに出かけることにした。第60回ベルリン国 ...
急がば回れ!
2017/7/24
社会福祉士を目指している学生から、相談を受けた。地元国立大学人間発達学部4年生の好青年だ。「バドミントンに全精力を傾けてきました。これまでの人脈を活かしながら、福祉の世界で活動をしたい」と歯切れがいい ...
三浦哲郎の歳月
2017/7/24
東北の小さな温泉宿で、若い男女が結ばれる。寒い夜は何にもまとわない方が温かいのだと声をかける「私」に、志乃は素直にしたがって、白い身体を蒲団にすべらせる。こんな書きぶりに、胸をとどろかせていた青春の日 ...
未完絶筆 良寛
2017/8/2
貧困も、格差も、こんな視点から眺めてみれば、取るに足らない。何をそれほど思い悩むのか、となる。絶筆にして未完の「良寛」は、干からびた心もちに染み渡るようであった。亡き立松和平の生真面目さが笑顔で語りか ...
女優というもの
2017/7/24
ちょっと気持が怯んで、見逃した演劇がある。今でも悔しく、残念に思っている。05年の劇団民藝創立55周年記念公演「火山灰地」だ。大作で1部、2部とあり、続けて2度上京しなければならなかった。久保栄の作だ ...
「クロッシング」
2017/7/24
韓国の映画監督キム・テギュンが、この作品を完成させるために私は存在するのではないか、とまでいい切った。それほどの思いが込められている「クロッシング」は、北朝鮮の“普通の人々”がおかれている惨状を忠実に ...
ペシャワール会 中村哲
2017/7/24
講演の開始時間は午後7時であるが、早目に来てほしい。そんな連絡がありながら、開始寸前に会場に入ると、なんと最上階3階の、ステージから最も遠いところの席となった。講師の都合で中止になるリスクも高く、入場 ...
独楽吟
2017/7/24
たのしみは朝餉の味噌汁のうまき時。目覚めがすっきりとして、冷たい水で顔を洗い、湯を沸かしながら、じゃがいもと菜っ葉にひじきをぶち込んで、料亭の味なる味噌をいれて、溶かし込んで出来上がりだ。老人独居では ...
6月15日に考える
2017/7/24
6月15日は、安全保障を考える日と自らに課してみたい。この2日間の菅首相答弁は「在日米軍の抑止力は極めて重要。(辺野古移設で)米国との再交渉や閣議決定の見直しを行うつもりはない」に終始している。この答 ...