バロン・サツマ
2017/7/24
頃は大正末期から昭和の初期にかけてのパリ。第一次世界大戦で漁夫の利を得た日本は、未曾有の好景気に沸き、円高はパリ在住の日本人を“にわか成金”に仕立て上げ、わが者顔でパリ中を闊歩させていた。北陸ゆかりか ...
「グラン・トリノ」
2017/7/24
様々なことが目まぐるしく、目の前を通り過ぎていく。見ていたのかという風でもある。関わったところで、ほとんど影響を与えることもない。老境に入ってからの孤独感はそんなことで深まっていく。持って行き場がない ...
「パンデミック」
2017/7/24
忘れていた宿題が突きつけられた。新型インフルエンザが猛威を振るいそうな気配に急遽出版された「パンデミック」(新潮選書)。感染症が世界的規模で同時に流行する意味だが、著者名を見た時である。小林照幸、記憶 ...
後輩X君へ
2017/7/24
元気でやっていますか。君はいま、わが長男と同じ35歳、いわば団塊ジュニアにして、受難の世代です。NHK特集を見るまでもなく、厳しい状況にあることはよくわかります。半面、社会に出て10年余、世の中こんな ...
すべてが廃虚に
2017/7/24
布団の上げ下ろしをしていると、ふすま紙がペロンとめくれてしまった。糊が乾ききって、押さえ切れなくなったのと紙の制度疲労である。築25年なのだとつくづく思い知らされた。天井を見上げると、クロスの糊部分が ...
「法然と親鸞」
2017/7/24
とにかく外に出よ!飛び込んだ先が現場である。その現場で、錆びかけている脳細胞を奮い起こすのだ。そう長くはない命なのだから、という天の声に導かれ、ウロウロ右往左往の毎日といっていい。 4月9日午後2時 ...
「ムサシ」
2017/7/24
巌流島決闘で、佐々木小次郎(小栗旬)は死ななかった。検死役の藩医に「お手当てを!」と叫び、疾風の如くムサシ(藤原竜也)は立ち去ったが、命を取り留めたのである。爾来6年、小次郎はひたすら無念を果たさんと ...
ヒトを選ぶ
2017/7/24
面接というのではないが、選ぶ感覚で若者達と会っている。楽しいことの半面、責任みたいなものもあり、迫るようないい方は避けている。もう一度会いたいと、先方から連絡があればいいが、こちらからはアクションを起 ...
闇社会・京都の影
2017/7/24
裏世界とは縁はないが、怖いもの見たさがある。親戚の娘が立命館大学に入学するので、その下宿探しを頼まれた。二つ返事で引き受け、久しぶりの京都。だが、裏世界といえばここ京都である。観光で見せる街の顔とは全 ...
笑うしかないか
2017/7/24
「ちょっと、今日のおれ、すごいな」。立川談志は自分の落語に酔い痴れて、ついこう漏らして、また本筋に入っていったという。架空の演目を演じながら現実に戻し、また架空に返す。それを淀みなく、むしろそうするこ ...