「野火」
2017/7/26
やはり8月は特別な気分になる。重たいなと思いつつ、大岡昌平の「野火」に挑むことにした。高橋源一郎が朝日論壇で、塚本晋也監督によって映画化された「野火」の激しいリアリズムを絶賛したのに促されたのが一因。 ...
「ケアの社会学」
2017/7/26
「このゆびとーまれ」の惣万佳代子がフローレンス・ナイチンゲール記章を受章した報を聞いて、思い起こしたのが上野千鶴子の大著「ケアの社会学」(太田出版)である。2000年の介護保険施行後10年がかりの調査 ...
「満洲難民」
2017/7/26
7月27日午後1時過ぎ、富山市民病院緩和ケア病棟に中学以来の友人・澤木邦夫を見舞った時である。「いま息を引き取ったばかりなが」と奥さんが涙をぬぐいながら「いい顔しているでしょう。よく頑張ったわいね」と ...
「生命と偶有性」
2017/7/26
70歳まで生き永らえた。たどり着いたという感じでもある。こう書くと、生きようという意志がいつも何かを力強く選び取り、その意志の連続の上に存在するように思われるが、さにあらず。不確かな何かに、これをやっ ...
「咳をしても一人」
2017/7/26
気になる本は手帳にメモをする。新聞広告や書評を見て、これはと思うものだが、ほぼ買い求めている。「放哉と山頭火―死を生きる」(ちくま文庫)渡辺利夫、をメモした。この場合は著者の渡辺利夫がキーワードである ...
広辞苑
2017/7/26
ここ10年以上使っていない広辞苑を書棚の奥から引っ張り出してきた。刊行60年になることで、岩波書店のPR誌「図書」が特集している。そういえばこんなことも、と青春の苦い思い出がよみがえってきた。 広辞 ...
白やぎ在宅クリニック
2017/7/26
6月1日に何が何でも開院しようと必死にもがいて来た。意を決してから綱渡りの苦闘だったが、いくつかの僥倖に助けられ、遂に漕ぎ着けることができた。メンバーのほとんどが現在勤務しているところでの仕事を抱えて ...
車谷長吉、死す
2017/7/26
朝食前に、妻と散歩を楽しむのが日課であった。「おれコンビニ寄って、先に帰っているから」と別れて、好物のだんごを買い込んで自宅にたどり着くや、袋を開けるのももどかしく、口に放り込んだ。甘さが口中に広がり ...
ケンチャナヨ
2017/7/26
韓国人は相手が何か粗相をした時には「ケンチャナヨ」(心配しなくても大丈夫ですよ)と語りかけてくれる。不安で自信なさそうな表情をしている時にも、問題ないですよと寛容ぶって使用することが多い。プラスな面も ...
憲法を選び直す
2017/7/26
安倍政権の暴走は、1960年式の素朴な発想を受け継ぐトリクルダウン式の経済成長戦略なるものが失敗し、経済的な破綻が明らかになってはじめて、ストップするだろう。それまで日本社会が自ら、方向を理性的に転換 ...