お前さんのこの2年間を総括してみたらどうか、の声である。リタイア後のこと。粉飾するなよ、との添え書きもあり、厳しい視線だ。
再婚もままならず鰥夫での10年、先日62歳の誕生日を迎えた。朝起きて、何曜日かと思い出せない時もあるが、間遠になったとはいえ、尿意か、微かな色欲の残りなのか、炎立ちというのもある。そんな朝は何となくうれしい、エイヤーと起きる。そして、わが頑なな習慣の、どんなことがあっても、朝めしである。
そういえば、愛妻が亡くなった日の朝も、おにぎり2個を食していた。干物、納豆、いい加減な味噌汁に、お茶と漬物が定番だが、最近ベーコンが加わった。ほとんど肉を食べなくなったので、身体がほしがっているのか、おいしい。フリーデン(平塚市)のやまと豚ベーコンかたまりを愛用している。スライスするから包丁洗いが加わるが、既製のスライス済みのものに比べると、断然違う。ワクワクするほどのうまさである。
違うようになったのは夕食である。白さが目立つ手帳に、夕食“自”と記している。自宅で夕食という意味だが、週に5日間はある。刺身、焼き魚中心だが、近所のおかやま鮮魚店だ。あそこ割高よ、との声もあるが、それを超える鮮度でうまい。そこにナムルが得意料理となって、食卓を飾るようになった。この4月からハングル講座に通い出したのだが、韓国人教師の天坂先生直伝のもの。もやし、ぜんまい、茄子と素材は自由にして、極上のごま油が決め手。醤油も加え、あと葱を刻むのだが、面倒なので大切りのまま放り込んでいる。苦手の唐辛子は気持ちだけ。ここまではビールで。あとはブルーチーズ、トマト、クラッカーで、ウイスキー、焼酎割りを気ままに飲っている。
残りの週2回は友人と居酒屋となる。これも、しみったれた友人はお断りで、話題が縦横に走り、別れ際の爽やかなのをもって良しとしている。当然自分もそう心がける。はしごはしないのが、暗黙の決まり。遅くとも10時には帰宅する。
そんな日常を聞いているのではない、もっと本質に迫って語ってみろ、そんな日常なら、勤務している時とそう変わらないではないか、だと。違いない。
そこまでいわれると、逃げるわけにはいかない。わが社ユーウィンの決算見通しで、みなさんに押し売りした本の代金に関連することから情報公開したい。詳細はいま少し待ってほしい。
「ゆずりは通信」の販売代金はありがたいことに、概算だが、現時点で2,443,625円に達した。もともとは無代の贈呈本としていたのを有料としたもの。原価180万円の本を無代とすれば、そのままだが、本を有料で販売し、その販売代金を地域への有効な投資資金として回すと、資金が倍となってわずかでも地域経済に貢献できるのでは、の発想であった。当初NPOの設立資金としたが、その趣旨であれば、ユーウィンで十分足りることを知った。中村厚・中村会計事務所代表の助言である。
現在、ナラティブホーム研究会ヘ、ほぼ50万円(活動資金)、イムニタスマスク商品化事業で100万円(投資)、グループホームを営むNPO法人「虹の会」(我孫子市)の増築資金として100万円(貸付)で、生きたお金として活躍している。回収し、もう一度まわせば3倍となる。また、そのために何となく活動できてきたことがある。人知れず、小さいがいい試みであったな、と思っている。
しかし、生活保守主義という批判があればうつむくしかない。あなたの生活のどこを賭けているのですか。そうした批判には、私の生存そのものが罪なのだ、としかいいようがない。業なる罪を重ねての60余年であったことは間違いない。
最近また悲しいがそう決断するしかない訣別があった。厚情必ずしも情にあらず、薄情のこと忘れるべからず、だ。今こそ流されてはならない。60余歳にして、つらいが耐えていかねばならないのだ。
総括にはなっていないが、そんな心情、ぜひ察してほしい。
2年間の総括