「新リア王」
2017/7/20
新聞の連載小説が突然「未完」と書かれて、打ち切りとなった。日本経済新聞の10月31日朝刊、高村薫の「新リア王」。熱心な読者ではなかったが、青森を舞台にした日本的な政治風土を抉り出すような意欲作であった ...
一石仙人
2017/7/20
車椅子に、ちょっとやつれた身を起こして自作の新作能「一石仙人」を見やっているのが多田富雄さん。10月29日、石川県立音楽堂。開始時間寸前に滑り込み、すぐに眼に入った。どんな思いが彼の脳裏をよぎっている ...
停電がくれた至福
2017/7/20
10月20日午後6時過ぎ、横殴りの雨の中を途中にあったスーパーで牛肉を買い込み、金沢東インターから富山へ向かった。わが家の老犬コロは、牛肉であの猛暑を乗り切った。8月下旬はよろけそうにしていて、獣医の ...
組織病理
2017/7/20
中途退職した後輩から「求人広告を見ていたら、NHK地域スタッフ募集とあったが、どんな仕事か聞いてもらえないか」と連絡をもらった。10年以上も前のことである。その時の返事が「おい、新聞拡張員の方がまだい ...
ふたりのシベリア
2017/7/20
香月泰男と瀬島龍三。ひとりは陸軍伍長にして画家、いま一人は陸軍中佐にして関東軍参謀。シベリアに抑留された二人の対照的な人生に思いをめぐらした。敗戦後、関東軍を中心にシベリアに抑留された日本人捕虜は60 ...
大学改革の行方
2017/7/20
9月中旬、上越新幹線の車中。後部座席に、高崎から乗り込んできた若い二人の話が聞こえてきた。一人は大学病院の脳外科の医師、いまひとりは大手製薬会社のMR。MRというのは医薬品情報担当者。医家向けの薬品販 ...
無害者意識
2017/7/20
85歳の詩人である。本名は古賀照一、北九州生まれで千葉県市川市在住。こんな校歌も作詞する。「発信ゆんゆん 受信よんよん 交信やんやん」。福岡県立清陵情報高校でタイトルが『宇宙の奥の宇宙まで』。地元の市 ...
ビッグイシュー日本版
2017/7/20
大阪淀屋橋の地下鉄1番出口に立つのは、“ヒゲじいさん”こと松本義則。真っ白なひげがトレードマークの65歳。ホームレスになって7年だが、昨年の9月以来顔に精気が満ちている。手にしているのは国際ストリート ...
林克明のチェチェン
2017/7/20
1995年1月、厳寒のモスクワを平和行進がのろのろと進んでいた。ロシア軍が独立宣言をしたチェチェンを侵攻してから3週間が経っている。戦争に抗議する日本人仏教僧侶やチェチェン人、息子を兵隊にとられている ...
哀しきマキャベリスト
2017/7/20
「恐れられること」と「愛されること」、あなたにとってどちらがいいか。もしあなたが、愛され、尊敬される方を選ぶとしたら、権力者への道は遠い。イタリア・ルネッサンス期に登場した外交官マキャベリは著書「君主 ...