北欧紀行ベルリン

赤坂にドイツ文化会館がある。草月会館の裏側、富山県赤坂会館の手前といった方がわかりいい。そこにホールがあり、舞踏公演に招かれたことがある。和栗由紀夫が主宰する好善社のもので、演し物が思い浮かばない。20年以上前のことであるから仕方がないのだが、大野一夫、土方巽に連なる日本舞踏との初めての出会いであった。和栗の公演は約90分、最小限の動きで無限を表現する舞踏なるものを、ひたすら我慢をして見入った苦い記憶でもある。その時に、ドイツでは舞踏が根強い人気で、ドイツ人の思考にピッタリなのだと教えられた。コンラート・アデナウアー財団のティッテンともそこで巡りあい、擦りきれそうな靴下をはくドイツ人の質実な生活を垣間見た初めでもあった。

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