とことん学び、ちょっと臥せって、あっさり死ぬ」。これは静岡県清水市の清見潟大学塾の設立理念。そして「遊び心の大学ごっこ」がキャッチフレーズ。おもしろいのは官僚主義、権威主義、形式主義を排除した次の運営3原則。現場現実を大切にしている。まずは?教授公募制。自らの趣味、職業上の知識経験なんでも結構、市民に教えることをみずからの生涯学習、生きがいとしたい方はハガキでも申し込む。特定の政党、宗教色の強いものは排除するが、きめきめではない。次は?市場原理の導入。最低10名の塾生の応募が無ければ不成立。授業料年間5000円から1万円は教授の全額報酬。任期は1年。そして?クーリングオフ制度。講座に参加して2か月過ぎて希望にそわない場合は授業料全額返却。初年度12講座、塾生100名でスタートしたのが、14年経て134講座2600名。最小年は油絵で7歳、最高齢は89歳。これで市の助成が当初からわずかに20万円。これは洗足魚津短大の平成14年の閉校を控えて、なんとかせねばの思いから、勉強会の講師に招いた代田さんからの情報。彼は旺文社蛍雪時代の編集長を14年勤め、現在日本生涯学習総合研究所理事長。偏差値信仰を推進してきた罪は重い、と今贖罪を込めて生涯学習に精根傾ける。そして奇しくも旺文社全国模試が今年限りで中止となった。18歳の一発入試で人生が決まるというシステムは終りをつげる。半面、全国模試の大半が10点未満という学力低下の現実も直視しなければならないのだが。
ともあれ、洗足をどうするという声が徐々に高まってきている。あの施設を生かしたい、いや具体的に使いたいという声が出てきている。例えば、魚津料飲組合の大江さん。学生食堂を後継者育成を兼ねて、地元の食材を生かしたメニューの開発の場として使いたいとか。古典文学の拠点として残るなら、1000万円寄付してもという入善のOさん、とか。
こんな声を生かさないでどうする。清水に出来て、魚津に出来ないわけがない。いま必要なのは、遊び感覚で、とにかく「やってみよう」「やってみなはれ」精神。当面は3年ぐらいやってみて、市民の共感が得られなければ、そこで跡地の問題を考えればいいのでは。
さあ、焦らないで急ごう。市民レベルでの洗足再生市民会議を。